メディア報道姿勢

日本のメディア構造を理解しよう!~新聞社、テレビ局、NHKの関係図~

日本のマスメディアってたくさんありますよね。なんとなく、いくつかの主要な企業のグループがそれぞれに異なる系列のメディアを形成しているんだろうなという認識はあると思います。

このページでは、メディアが持つ政治的な視点や考え方の違いをまとめています。各メディアの価値観がわかれば、ニュースの見方を分析することができるようになり、メディアの選択に対する理解が深まります。

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ニュースを見ていると一方の報道はトピックに批判的で、一方の報道では肯定するような報じ方をしていると気づいたことはありませんか?

キャスターの私的な感想を述べる場になっている点も気になります。

目次

  1. メディアの基礎:日本のマスコミって何?
  2. テレビ局と系列の仕組み
  3. 親会社と系列の関係
  4. NHKの独自性:民放とどう違うのか?
  5. 地方局と全国ネットワークの仕組み
  6. メディアの立場と政治的視点の違い
  7. まとめ:日本のメディア構造を一目で理解する相関図

1. メディアの基礎:日本のマスコミって何?

※画像はイメージです

Media(メディア)は、情報を国民に広く届ける役割を担っています。主に、新聞、テレビ、ラジオ、インターネットなど日本の形で私たちにニュースや娯楽、文化的な情報を提供しています。中でも、新聞とテレビは影響力が大きく、政治や社会問題に対して強い発信力を持っています。 メディアにはそれぞれの特性があり、スポンサー収入を得て運営する「民間放送(民放)」と、受信料を基に運営される「公共放送」のNHKに分かれています。


2.テレビ局と系列の仕組み

日本のテレビ局は、いくつかの「系列」に分かれて全国ネットワークを形成しています。

東京にある主要なテレビ局(キー局)が中心となり、地方のテレビ局がそれぞれの系列に所属しています主要な系列と代表的なテレビ局は以下の通りです。

新聞社とテレビ局(系列)の相関表

新聞社キー局(系列)主な地方局
読売新聞日本テレビ(NNN・NNS)STV札幌テレビ(北海道)、中京テレビ(愛知)、読売テレビ(大阪)(NNN30局)
朝日新聞テレビ朝日(ANN)北海道テレビ(北海道)、メ~テレ(愛知)、朝日放送テレビ(大阪)
(ANN23局)
毎日新聞TBS(東京放送)(JNN)北海道放送(北海道)、CBCテレビ(愛知)、毎日放送(大阪)
(JNN28局)
産経新聞フジテレビ(FNN・FNS)北海道文化放送(北海道)、東海テレビ(愛知)、関西テレビ(大阪)
(FNS28局)
日経新聞テレビ東京(TXN)テレビ北海道(北海道)、テレビ愛知(愛知)、テレビ大阪(大阪)
(TXN6局)

各地方局はキー局と提携して全国のネットニュースやバラエティ番組を放送し、地元のニュースも含めた地域密着型の放送ができるようになりました。


3. 親会社と系列の関係

テレビ局の多くは、新聞社を母体にして設立されました。各新聞社がテレビ放送を含む広範なメディア展開を目指し相互に情報を共有しあう関係性が生まれました。同じ系列内で情報共有が行われるため、編集方針にも似た価値観が見られることがあり、これを見た読者が偏向報道や平等性を訴える場合がしばしば見られるようになりました。一方で、読者の目線として報道内容や政治的な視点が母体ごとに統一されやすいという特徴もあります。


4. NHKの独自性:民放とどう違うのか?

※画像はイメージです

NHK(日本放送協会)は、他の民間放送と異なる「公共放送」としての立場を持っています。これは、視聴者からの受信料によって運営されるため、広告視聴に依存しない独自の仕組みです。そのため、スポンサーの意向に沿って、災害報道や教育番組など、国民にとって必要な情報を安定的に提供しているます。

NHKは日本全国に地方放送局を持ち、各地域で地元ニュースを発信していますが、これらはすべてNHK本体の一部運営として行われています。これにより、全国一律の視点からニュースを伝えることが可能となり、一貫した報道性が重視されています。


5. 地方局と全国ネットワークの仕組み

地方のテレビ局は、大手のキー局が全国ネットワークに参加しているため、キー局の番組やニュースを視聴者に提供しつつ、地元のニュースも独自に発信しています。 「北海道テレビ」がテレビ朝日系列の番組を放送し、地元ニュースも併せて提供するという形です。

この仕組みにより、視聴者は地元の出来事も全国ニュースも一度に情報を得ることができます。 地方局は地元企業や行政とも密接に関わるため、地域密着型の報道や広告が多いのも特徴です。


6. メディアの立場と政治的視点の違い

日本のメディアは、政治的な立場によってリベラル派(左翼・自由主義派・ハト派・護憲派)と保守派(右翼・伝統派・タカ派・改憲派)に分かれることがあります。主に新聞社を母体とするテレビ局では、この政治的な立場が報道内容に多く露出することがあり、視聴者や読者は複数のメディアを比較することで、ニュースの背景や偏りを理解するすることができます。

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リベラル派のメディア

リベラル派のメディアは、一般的に社会的な平等や多様性(個人の自由や個性)を重視し、政府に対して批判的な立場をとることが多いです。日本では、以下のようなメディアがリベラル寄りの視点を持つとされています。

  • 朝日新聞毎日新聞:人権問題や環境問題に関心が強く、社会正義や福祉を重視する傾向があります。
  • テレビ朝日(ANN)、TBS(JNN):それぞれ親会社である新聞社の影響から、リベラルな視点が報道に反映されることが多いです。ただしTBSの政府有利とする偏向報道についてSNSで厳しく非難されており、保守寄りの面も見られています。

保守派のメディア

保守派のメディアは、伝統的な価値観や風習、国家の安定、経済成長を重視し、政府を支持する立場をとることが多いです。日本では、以下のようなメディアが保守寄りの視点を持つとされています。

  • 読売新聞産経新聞:経済政策や安全保障に関して、政府の政策を支持する報道が多いです。
  • 日本テレビフジテレビ:それぞれ親会社である新聞社の影響を受けており、保守的な視点が報道に反映されることが多いです。ただしフジテレビは近年、スポーツ選手への報道姿勢や女子アナウンサーの風俗利用、公序良俗違反やリテラシー違反などの企業体質がSNSによって明るみに出たことで、凋落の一途を辿っています。

中立派のメディア

中立派のメディアは、経済・ビジネス分野などに特化し、政府的な立場を明確に示すことは少ない傾向にあります。また、独自性により公平。公正の姿勢を示すメディアも中立派に位置付けられます。日本では、以下のようなメディアが中立の視点を持つとされています。

  • 日経新聞地方紙の一部:日経新聞は、経済・ビジネス情報に特化し、情報として政治的な発言を切り取ることはあるものの、明確に政治的立場を示すことは少ないです。ただし、石丸伸二安芸高田市長時代において、中國新聞社の議会寄りとする偏向報道姿勢がSNSで明るみに出たことで公平性を疑問視する意見・批判が当社に集中しました。
  • テレビ東京NHK:NHKは公共放送と自身を位置付けており、公平・公正な報道を目指しています。スポンサーの影響を受けないことで報道姿勢を維持しているとも言われています。

7. まとめ:メディア構造を理解して本質を理解しよう!

これまでの内容をまとめると、日本のメディア構造がさらにわかりやすくなります。

  • 新聞社:親会社としてテレビ局の運営を支え、系列に情報を発信。
  • キー局と地方局:キー局が中心となり、地方局とネットワークを形成して全国ニュースを提供。
  • NHK:公共放送として独立し、受信料に基づく公正な報道を行う。
  • 政治的視点の違い:リベラル派と保守派の視点が異なる報道がある。
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ニュースの見方は、一つのメディアだけに依存するのではなく、複数のメディアを比較することでバランスが取れます。ニュースの本質を理解するためには、各メディアの立場の違いに気づき、偏りや背景を意識しながら情報を読むことが大切ですね。

https://seijicafe.com/kyoudou_tuushin/

出典(参考文献)

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  2. Masahiro Tanaka, Media Ownership and Concentration in Japan, Oxford Academic, 2014.
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  6. 池田 諭「公共放送NHKの政治的中立性とガバナンス」『慶應メディア・コミュニケーション研究』, 2022年.
  7. A. Ikeda, “The Role of Public Broadcasting in Media Bias: Do People React Differently to Pro-government Bias in Public and Private Media?” Political Behavior, 2021.
  8. Jean K. Chalaby, “Public Service Broadcasting in a Changing Media Environment,” Global Media Journal, 2020.
  9. NHK『受信料と財務情報 2024』.
  10. 田中 辰雄「ローカルテレビ局のネットワーク経営構造」『情報通信学会誌』, 2020年.
  11. Kazuo Nakamura, “The Dual Structure of Japanese Broadcast Networks,” Asian Journal of Communication, 2019.
  12. 総務省『地上放送ネットワーク一覧 2024年度』.
  13. S. Kingston, “Left and Right in Japanese Media: Political Framing in Newspaper Editorials,” Asian Studies Review, 2021.
  14. 吉野 敏行『新聞社説にみる政治的傾向の分析』NHK放送文化研究所, 2023年.
  15. Daniel P. Aldrich, “Media and Public Trust after Fukushima,” Journal of Japanese Studies, 2018.
  16. 毎日新聞社『全国世論調査 報道信頼度・政治的傾向 2024』.
  17. Pew Research Center, “Global Media Attitudes: Japan,” 2022.
  18. Reporters Without Borders, “World Press Freedom Index 2024 – Japan.” https://rsf.org/en/country/japan
  19. E. Buchmeier, “Media Politics in Japan: News Journalism between Interdependence and Control,” Springer, 2024.
  20. 橋爪 大三郎『報道の自由と放送法 — 規制と自律の間で』新潮選書, 2021年.
  21. UNESCO『World Trends in Freedom of Expression and Media Development 2024 – Japan Chapter』.
  22. 総務省『情報通信メディアの利用時間と情報行動 2024』.
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京都府出身、法学部卒業。コーヒーが好きで、料理も得意です。政治に関心がありながらも、何から学べば良いか気づかなかった自分の経験から、このホームページを立ち上げました!サポートAI麗-Rei-と一緒に、最新のメディア情報ベースに多角的な視点から日本の政治を解説しています。政治の本質を掘り下げられるサイトを目指しています!