SNSの「いいね」やフォロワー数が多いと、つい「すごい!」と思ってしまいますよね。でも、短いあいだだけ注目を集める“バズ”と、長く選ばれ続ける“実績”は別物です。ここでは、表向きの数字に惑わされずに「本物」を見分けるコツを、身近な例も交えながらお伝えします。
1. バズと実績のちがいを身近な例で考えます
- テスト前だけ一気に暗記して高得点を取っても、しばらくすると忘れてしまうことがあります。これは“短期の成果”。
- いっぽうで、毎週コツコツと勉強して、定期的に点数が安定している人は“長期の実力”があります。
SNSも同じです。再生回数やいいねが一時的に伸びても、商品が長く使われたり、また買ってもらえたりしなければ、実力があるとは言いにくいです。
2. 「見栄えの数字」と「役に立つ数字」を区別
下の表は、パッと見は派手でも判断に使いにくい数字(見栄え指標)と、次の行動に結びつく数字(役立つ指標)を並べたものです。
観点 | 見栄えの数字(惑わされやすい) | 役に立つ数字(判断の材料になる) | ヒント |
---|---|---|---|
届いたか | インプレッション、総フォロワー数 | 記事を読んだ後の「次の行動率」(プロフィール遷移など) | 「見ただけ」で終わっていないか |
興味が続くか | いいね、再生回数 | 保存率、クリック率、サイトでの操作数 | 興味が深まっているか |
価値が続くか | 単発の売上スパイク | LTV(その人が長くもたらす価値)、継続率、解約率 | 長く使われているか |
評判の中身 | ★の数、口コミ件数 | NPS(おすすめしたい度)、具体的な体験談 | 「量」より「中身」 |
お金とのバランス | 広告費の総額 | CAC/LTV(獲得コストと長期価値の比)、利益への寄与 | 無理に広告で押していないか |
※用語メモ
- LTV=そのお客さんが長い期間にもたらす合計の価値
- NPS=そのサービスを人にすすめたい気持ち(0〜10点)を集計した指標
- CAC=1人の利用者に使ってもらうまでにかかったコスト
3. 「口コミ」は数より中身に注目
口コミはたくさんあるほど安心…とは限りません。次の3点を見るだけで、だいぶ判断しやすくなります。
- 体験が具体的か(困っていた点→どう良くなったか→また使いたいか)
- 検証済みか(実際に購入・利用した人のレビューか)
- ネガティブな声に対して対応の記録があるか(おわび、改善、再発防止)
大学の授業レビューや、バイト先のクチコミを見るときも同じです。数よりも「具体的な体験」「改善の痕跡」を大切にするとミスマッチを減らせます。
4. 本物を見つけるための5ステップ
- 目的を決めます
例)買う前の不安をなくしたい/長く使えるか知りたい など。 - 見る数字を選びます
目的に合わない数字(いいね数だけ等)は一度外します。 - 裏どりをします
公式情報と、実際に使った人の声の両方を見ます。 - 時間で確かめます
コホート(同じ時期に使い始めた人の集まり)ごとの継続率を見ると「たまたま」が減ります。 - 因果を考えます
できればA/Bテストや、前後比較で「本当にその施策が効いたのか」を考えます。
5. すぐ使えるチェックリスト(保存版)
- 目的に合った数字になっていますか?(例:継続率/解約理由)
- 口コミは具体的ですか?(課題→解決→再利用の意思)
- 一次情報を確かめましたか?(実物に触れる、問い合わせてみる)
- 時間軸で安定していますか?(単発のヒットで終わっていないか)
- お金のバランスは良いですか?(広告費に頼りすぎていないか)
6. よくある質問
Q. フォロワーが多ければ安心ではないのですか?
A. 届きやすいのは事実ですが、「その後の行動」が大事です。プロフィールや商品ページに進んでいるかを見ます。
Q. 口コミが多いほど信頼できますか?
A. 数は参考になりますが、中身の具体性と対応の記録のほうが当てになります。
Q. 再生回数が多い動画は、売上にも効きますか?
A. 場合によります。動画で知ってもらったあと、体験に進んでいるかを数字で確かめます。
まとめ:数字は「選び方」で意味が変わります
「大きく見える数字」に目を奪われると、本質から遠ざかってしまいます。目的に合う数字を選び、時間と第三者の視点で裏どりをする。これだけで、SNSの波に流されにくくなります。明日からは、量より中身、短期より長期を合言葉に、じっくり見ていきましょう。